ループステフネステスタ®とは
ループステフネステスタ®とは
What is Loop Stiffness Tester?
曲げ特性の定量評価を可能にする「ループステフネス試験」
東洋精機製作所が独自に開発した「ループステフネス試験」は、フィルムや紙、不織布などの「コシ」や「こわさ」といった曲げに対する抵抗性を定量的に評価するための試験法です。
従来の評価手法では測定が難しかった極薄材料や微小な差異に対しても、高い再現性と信頼性を持つ測定が可能です。本コラムでは、その特長と応用例をご紹介します。
「コシ」や「こわさ」とは何か?
「コシ」「こわさ」とは、素材を曲げた際にどれだけ抵抗するかという曲げ剛性の指標です。
● コシが弱い素材はしなりやすく、屈曲性が高いです。小さなループ状に折り曲げることが容易で、柔軟性が求められる用途に適しています。
● コシが強い素材は曲がりにくく、剛性があり、パウチ包装などで自立性が必要な製品に向いています。また、ユーザーが手に取った際の感触のしっかり感にもつながります。
こうした特性は、製品の性能や品質に直結するため、客観的かつ定量的な評価が不可欠です。
従来法との違い:なぜループステフネスか?
現在、フィルムのコシを測定するには「ガーレ式」、紙には「クラーク式」などの標準試験法が用いられています。これらは試料を振動させたときの角度やたわみ量を計算式に当てはめて評価する方式です。
しかし、以下のような課題が指摘されています:
● 極薄素材では試料自体の自重でたわんでしまい、安定した測定が難しい
● 微小な材料差や加工条件の違いを反映しにくい
これらを解決するために開発されたのがループステフネステスタです。
試料をループ状に曲げて横倒しに配置し、ループ部分に圧子(プランジャー)を押し当てて生じる反力をロードセルで直接測定する構造により、自重の影響を受けずに、正確な荷重データを取得することが可能です。
試験イメージ

活用例 フレキシブル基板
ループステフネス試験は、現在フレキシブル基板の性能評価でもご使用いただいております。
スマートフォンやウェアラブル機器の小型化・高機能化に伴い、配線基板にも高い柔軟性と信頼性が求められるようになりました。
ここで重要となるのがスプリングバックと呼ばれる現象です。これは基板を曲げた後に元の形状に戻ろうとする力で、言い換えればコシの強さそのものです。
スプリングバック(コシ)が強すぎると…
● 狭小スペースへの組み込み時に曲げが困難となり、実装効率が低下
● モジュールとの接合部にストレスがかかり、接触不良や剥離の原因に
逆にスプリングバック(コシ)が弱すぎると…
● 自己支持性がなく、組み込んだ装置内部での意図しない屈曲が起こる
● 折れ曲がりやすく、歩留まり低下や信頼性の問題に発展しやすい
このように、フレキシブル基板においても「コシ」の最適化が不可欠であり、定量的な測定が求められています。
ループステフネステスタはロードセルによる直接測定の為、従来の計算式に基づく間接的な評価方法では困難だった微小な材料差や加工条件の違いを捉えることが可能です。

おわりに
「コシ」や「こわさ」は、素材の使い勝手や加工性、製品の品質・外観にまで影響を与える重要な物性です。
東洋精機製作所のループステフネス試験は、その特性を高精度・高再現性で評価するための有効な手法として、多くの製造現場や研究開発の現場で活用されています。
薄く・柔らかい材料の評価にお困りの方、またフレキシブル材料の設計に関わる皆さまは是非ともお問い合わせいただけますと幸いです。
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